フラグシップモデルの周波数を見てみよう
前回の記事で各キャリアの周波数をまとめたが、今回は
各メーカーのフラグシップモデルを例に対応可能な周波数を見てみよう。
●Galaxy note3 N9005(Samsung)
2G:GSM GPRS/EDGE 850/900/1800/1900 MHz
3G:W-CDMA/HSPA+ 850(B5)/900(B8)/1900(B2)/2100(B1) MHz
4G:FDD-LTE 800(B20)/850(B5)/900(B8)/1800(B3)/2100(B1)/2600(B7) MHz
●Xperia Z1 C6903(SONY)
2G:GSM GPRS/EDGE 850/900/1800/1900 MHz
3G:W-CDMA/HSPA+ 850(B5)/900(B8)/1700(B4)/1900(B2)/2100(B1) MHz
4G:FDD-LTE 700(B17)/800(B20)/850(B5)/900(B8)/1700(B4)/1800(B3)/1900(B2)/2100(B1)/2600(B7) MHz
Galaxy note3とXperia Z1は様々な国で販売している端末なので、それに対応している周波数を内包している。
青字は国際的にも国内でも使用可能な周波数。softbankは青字部分全ての周波数を保有。docomoは3G,LTEとも2,100のみ。auはLTE2,100のみ保有。
●Nexus5 LG-D820(LG)
2G:GSM 850/900/1800/1900 MHz
3G:W-CDMA 800(B6,B19)/850(B5)/900(B8)/1700(B4)/1900(B2)/2100(B1) MHz CDMA2000 800(BC0/BC10)/1900(BC0) MHz
4G:FDD-LTE 700(B17)/800(B19)/850(B5,B26)/1700(B4)/1900(B2)/2100(B1) MHz TDD-LTE 2500(B41) MHz
●Nexus5 LG-D821(LG)
2G:GSM 850/900/1800/1900 MHz
3G:W-CDMA 800(B6)/850(B5)/900(B8)/1700(B4)/1900(B2)/2100(B1) MHz
4G:FDD-LTE 800(B20)/850(B5)/900(B8)/1800(B3)/2100(B1)/2600(B7) MHz
赤字で書いているのは、docomoとauで使用可能な周波数。Nexus5は2モデルある。対応周波数が異なり、Google playとemobileから購入可能なのはLG-D821。先に挙げたGalaxy note3とXperiaZ1の同様にsoftbankでは3Gで2つ、LTEで3つの周波数を使用可能。docomoでは3G:800(B6)が使用可能。これが使用可能だと実用性が非常に大きい、理由は後述。
もう一方のLG-D820は北米で販売されているもの。3G周波数ではCDMA2000に対応している。auの場合、3GにCDMA2000を使用しており、これが世界的にマイナーな上、BCも適合していないと使用が出来ない。3G:800(BC0)とLTE2,100(B1)に対応。auでの使用が期待できる。
docomoではB6に加え、3Gで800(B6,B19)/2,100(B1)とLTEで800(B19)/2,100(B1)に対応。docomoの800帯はfomaプラスエリアとも呼ばれ、国内で非常に広いエリアをカバーしている。簡単に説明するとB6が地方や山間部、B19が都市部での帯域を補強している。LTE800(B19)に対応している端末も非常に稀でこれらに対応しているLG-D820は実に希少。
softbankでは3Gが2つ、FDD-LTEで2,100(B1)に対応。興味深いのが、TDD-LTEに対応している点だ。AXGP2500(B41)は100%TDD-LTE互換と公言しており、これが事実ならSoftbankのAXGPで使用可能性がある。
2G:GSM 850/900/1800/1900 MHz
3G:UMTS/HSPA+/DC-HSDPA 800(B6)/850(B5)/900(B8)/1700(B4)/1900(B2)/2100(B1) MHz CDMA EV-DO Rev. A/Rev. B 800(BC0/10)/1,700(BC15)/1,900(BC1)/2,100(BC6) MHz
4G:FDD-LTE AWS(B4)700(B13B17)/800(B18)/800(B19)/800(B20)/800(B26)/850(B5)/900(B8)/1700(B4)/1800(B3)/1900(B2,B25)/2100(B1) MHz
iphone5s A1453は国内3キャリアで展開されている為、各キャリアの周波数を内包。各社3Gでは2つの周波数に対応。LTEではdocomoが800(B19),1,800(B3),2,100(B1)の3つ、softbankも900(B3),1,800(B3),2,100(B1)も3つ。auでは800(B18),2100(B1)の2つに対応。
【総評】auはCDMA2000を採用しているので、通信方式が特殊。docomoは800MHz帯の周波数が特殊なので、一概にSIMフリーと言ってもグローバルモデルとの相性は良く無い。iphone5s(A1453)の様に日本の周波数にローカライズされた端末やLG-D820の様に奇跡的にdocomoの800MHz帯やCDMAに対応した端末で無ければ、auはLTE:2,100(B1)、docomoは3G:2100(B1)とLTE:1,800(B3),2,100(B1)の使用のみ可能だろう。
今回挙げた5モデルのうち、4モデルでSoftbankでは3Gで2つ、LTEで3つの周波数に対応している。グローバルモデルと国内キャリアSIMとの相性はsoftbankがぶっちぎりにいい。
しかしsoftbankは他社端末での使用に積極的ではない。次回はそこに触れてみたいと思う。